
ピーマン専門部幹事
遠藤 正彦 (えんどう まさひこ) さん
【9月の国消国産】
ピーマン
いわては全国でも夏秋期出荷トップクラス※を誇るピーマン生産県で、JA江刺もその一翼を担っています。
JA江刺管内では身が薄くて柔らかく、苦味が少なくて子どもも食べやすいと人気のピーマン「さらら」という品種を多く栽培しています。若手からベテランまで50名を超える生産者が、互いの圃場見学や勉強会を通じて切磋琢磨しながら「美味しいピーマン」をお届けできるよう努めています。
ヘタの切り口がみずみずしく、全体にハリのあるものが新鮮なピーマンの証。冷蔵庫で一週間程度日持ちするので家庭の常備野菜にどうぞ。
※東京都中央卸売市場における全国のピーマン出荷量に占めるJA全農いわての出荷割合(例年7~9月期)


猛暑でも尽きることないきれいな水で元気なピーマンを育てています


適期収穫と土づくりで健やかに
奥州市種山高原のふもと、標高250メートルの山あいで、62アール48棟のハウスで8,000本のピーマンの木を育てています。風が通って夏も比較的涼しく、近くには「黄金延命水」や「金山水」など湧水の名所がある水資源豊かでピーマン栽培に恵まれた環境です。収穫期の6~10月には従業員と家族合わせて12人総出で、朝夕2時間ずつ、最盛期には1日あたり20,000個を超える700キロのピーマンを収穫しています。
私はピーマンの栽培管理の8割は「適期収穫」にあると考えていて、適期を逃さず収穫することが「いい木」を維持し高品質なピーマンの生産につながると実感しています。また、良いピーマンを育てるために大切にしているのは土づくりで、ピーマンの根が健康に育つよう、微生物が活躍してくれる土づくりを心がけています。
しかしピーマンの栽培方法に正解はありません。良くならなければ別の手を加えますが、余計なことをしない方が上手くいくこともあります。様々なことを考えるときりがなく、天候など外的要因も絡むため、農業は日々勉強です。「すべてはピーマンが教えてくれる」という信念をもって取り組んでいます。
シニア世代を雇用し、地域も元気に
もともと実家が農家で、私は大学卒業後にUターンして家業の手伝いを始めました。40年以上前のことですが、当時20代の就農は珍しくて周囲に歓迎されましたし、露地で栽培したレタスが思いがけず高値で取引されて手応えも感じました。JA江刺が選果機を導入した平成9年から本格的にピーマン栽培を始め、以後約20年かけて毎年2~3棟ずつハウスを増やしました。従業員を雇用すれば、適期収穫が可能となり、規模に応じた収益が見込めると考えたからです。
現在雇用している従業員は全員女性で、80代が3人、70代が4人、60代が2人です。集まると賑やかで、収穫の手を動かしながらおしゃべりでストレスを発散しているようです。ハウスでの収穫作業が楽しくやりがいのある場として従業員の皆さんの元気や満足につながるなら、これ以上うれしいことはありません。農業を模索していた私を支えてくれた、地域の大切な先輩たちですから。


丸ごと焼いて種やワタの食感も楽しんで
丸ごとのピーマンをフライパン等で転がしながら焼き、焼肉のタレを付けて食べるのが気に入っています。手間がかからずラクですし、種やワタの食感が楽しいのでぜひ試してみてください。
定番の肉詰めや天婦羅のほか、卵とじにして「ニラたま」風に味わうのも美味しいですよ。